「デキる子」と「そうでない子」の差異②

前回の続きです。今回は「デキる子」編です。

 

私は学生時代から数多くの「デキる子」に出会ってきました。それこそ、東大理Ⅲや

京大医学部、日本では足りずにアメリカの大学に編入した人、様々です。

彼らの共通点を探していくと、ある傾向が見られます。

 

①休まない(風邪を引かない。)

1つ目は「何これ?」と思われるかもしれませんが、彼らは総じて欠席しないのです。

(※1人だけズル休みの常習犯もいましたが、その人物は高校の授業では退屈だった

 らしく、独学で大学のテキストを読み進めていたそうです。これは例外ですね。)

とにかく、上位陣ほど風邪を引かないのです。彼らは生活リズムが安定しており、

滅多なことでは自分の生活リズムを変えようとしません。

その結果、疲労をため込みすぎることもなく、かと言って勉強をサボるでもなく、

遊びも満喫することができています。

はた目には、「あいつはいつも遊んでいるのに、アタマがいいなぁ。」と映るかもしれません。しかし、彼らはやるべきことを(見えないところで)やっているのです。

 

②優先順位のつけ方が上手

これは③にもつながることですが、彼らは「優先順位」を間違えることが少ないです。

もちろん、彼らも幼いころには優先順位を間違えてしまい、親、先生に叱られた

経験がある様子です。

この「叱られた経験」において、「自分の何が、どうして、どのように」良くない

ことだったのかを説明され、自分が納得すると「次は失敗しないでおこう。」となり、

回数を重ねるうちに洗練された優先順位のつけ方が出来上がる様子です。

逆に、「叱られた」際に感情的に怒鳴り散らされたりしていると、

「『ごめんなさい』って言っておけばいいや」

という、何の進歩もない最悪のパターンが発生することが多い様子です。

素直に謝るのに、何度も同じことを繰り返す人は要注意です。

ゴメンナサイという免罪符を手にしたことで、すべて解決するわけではありません。

 

③「やるべきこと」からやり始め、目の前のことに全力を尽くす。

優先順位がはっきりしているので、やるべきことは明確です。目の前の「やるべきこと」をやり始めると、彼らは余計なことには目もくれません。ケータイ・スマホはサイレントに設定して、手の届かないところに放置しています。そして、「やるべきこと」が終わった後に、放置していたラインやメールが「やるべきこと」に昇格するのです。

 

 

最後に「そうでない子」から「デキる子」に成長していった生徒さんが、

どのように成長していったか記しておきます。某有名女子高生のサクセス

ストーリーに匹敵するのではないか、と個人的に思っています。

 

まず、この生徒さん(仮にA君とします。)は中学3年生になった頃には

「学校の勉強もよくわからないし、先生も何言ってるか分からん。テストは

どれもこれも20~30点あればいい感じ。」

という状態でした。

 

このA君、塾に説明を聞きに来てくれたときは完全に「ドナドナ」状態で、

目はうつろ、見えない鎖でお母さんに引っ張られてきたようにしか見えませんでした。

しかし、しばらく話していると緊張も解けてきたのか(開き直ったのか)ハキハキと

返事をしてくれるようになってきました。

 

こちらが「テストの点数上げたいと思う?」と聞くと

「それが大事なことなら点数上げたいですよ。」と、にこやかに返してくれました。

(そう、A君は「テストの点数が大事なこと」とは考えていなかったのです。私も

 当時かなり驚いた記憶があります。)

 

ここからA君といろいろ話し合い、テストの得点は大切だということ、そして

学校の授業中に寝てはいけないこと、グラウンドでやっている他のクラスの体育を

ながめていてはいけないこと、黒板に書いてあることはノートに全部書いてくること、

ノートや教科書に落書きしてはいけないこと、宿題は毎日やること等々説明しました。

A君には新鮮な内容だったらしく、素直に説明を聞いてくれました。

 

その後「まず、いつから勉強が分からなくなったか」を探り、中1の1学期内容から

復習を始めました。

A君はとにかく素直で、分からないところは「分からないっす。」と

言って質問しながら演習してくれました。しばらくすると、

「この辺は簡単っすね。次いきましょう、次。」

「あ、これ分からないっす。どうやってやればいいんすか?」

「ふーん、じゃ、やってみますわ。あぁ、できたわ。次いきましょ。」

以後、授業中はこのループでした。

 

塾に通い始めて2週間もすると、A君の授業がない曜日に教室に現れました。そして、

「ちょ、聞いてくださいよ、オレ今日学校で褒められたんすよ。すごいっしょ?」

「だから何かやることくださいよ。」

(↑「だから」の使い方が正しくないよ、と注意した記憶があります。)

何を褒められたか聞いてみると、「何か褒められました。」という回答でしたが、

とにかく気分が良かったらしいです。

 

それからの彼は毎日、本当に毎日教室に来ました。(とにかく休まなかった。)

「空いてる席ありますか?あ、何やったらいいですかね?先生が選んでくださいよ。」

「今日は何やったらいいですか?ちょ、コレ多くないっすか?ま、やりますけど。」

 

このくだりを約5か月継続し、A君は2学期の中間テストで5科目300点を超えました。

A君はそれが「むちゃくちゃ嬉しかった」と教えてくれました。

そして

「よし、部活も引退して夕方ヒマだし、明日からはもっと早く来ますね。やるもの

 用意しといてくださいね。早く来ますから。」

 

A君は翌日から「夕方4時過ぎから7時半まで自習。晩御飯を食べに帰宅して8時半から10時まで自習。」という生活を始めました。

そして迎えた2学期期末テストで、なんと5科目平均80点という得点に達しました

(なお、副教科は「え?勉強?やらなきゃいけなかったんですか?」と言われました。

結果はお察しの通りです…。副教科も勉強することを伝えなかった私の失態です。)

 

A君は私立高校の特進コースに進学しましたが、

「いや~、僕の人生変わっちゃったじゃないですか。大学行っちゃいますよ?」

と言い、後に某国立大学に進学しています。

休まず、やるべきことをやり続けること、そうすれば結果は自然とついてくる。

それを証明してくれたA君の努力は素晴らしいの一言です。

 

実際のところ、こんなサクセスストーリーは滅多にないことだと思います。

 

それでも、自分も頑張ろうと思った人は同志会に来てください。全力で応援しますよ。