ここ数年、4月と11月になると「ことば」のもつ力の大きさについて
考えさせられています。
塾を開いていると、各生徒の進路について検討することになります。
生徒たちと話していると
「学校で先生に大丈夫って言われたから頑張る。」
「学校で先生に無理だから志望校を変えなさいって言われた。どうしよう。」
という言葉をよく耳にします。
私は厳しい言葉を使うことも多々ありますが、基本的には「無理」とは
言いません。もちろん、内申点30の中3生が「旭ヶ丘を受験します。」なんて
言い始めたらストップをかけますが。
ただ、例えば通知表がオール3で、順位も学年のちょうど半分くらいの生徒さんに
「高校進学自体が無理かもな。」
といったふざけた発言はしません。過去にも
「お前には○○高校は無理だ。」
という発言をされた先生がみえましたが、本人が目標を設定して、そこに向けて
努力する姿勢を「無理」ということばで破壊しないでいただきたい。
「ことばの暴力」という言葉もあります。その暴力によって、少なからぬ生徒たちの
将来が損なわれるということを考えたうえで発言していただきたい。
はるか昔、中3の三者面談で
「あ~、竹内さん、お宅の息子さんではね、公立は内申点がないから無理ですわ。
どうしてもって言うなら、私立のすべり止めに合格できたら記念に公立を受験して
もらってもいいですけどね。」
とおっしゃった方がおりました。
その方は私が公立高校の合格報告に行くと
「あ~、竹内、お前はきっと合格すると信じてたぞ。よくやったな!」
とおっしゃいました。
今考えると、「無理」と言われたおかげで塾通いに身が入ったのかも知れません。
その塾の中学指導部の先生方に鍛えられたおかげで、大学まで進むことが
できたように思います。
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