理解に苦しむ精神論

最近塾生たちと話していて、部活の練習やらテスト勉強やら、その他様々な

ジャンルで「気合が入ってない(or気合が足りない)」という理由で子供たちが

怒られているということを知りました。決して「叱られている」訳ではないのが

ポイントです。


私が中学生だった約20年前でも「根性論」は過去の遺物であるという風潮があった

にも関わらず、今も存在していることに少し驚きました。


そもそも、部活でのプレーでミスがあったからと言って、その選手が「やる気がない」

訳ではないと私は思います。ミスには必ず理由があるはずです。

その原因を共に探り、次回同じミスをしないための練習をさせるのが指導者の役割では

ないでしょうか。


私が中学生の頃の柔道のコーチは、言葉は厳しかったですし、手も出ましたが、

私が負けた試合のビデオを一緒に見て研究し、問題点を指摘し、稽古にも

つきあってくれました。稽古中に

「技を仕掛けるタイミングがいつもより1秒遅い!稽古に集中してないのか!?」

などと言われて、(実際1秒遅いかは不明ではあるものの)

「あ、自分はたるんでいたんだな。」

と思ったことも多々ありました。

こういった具体的な数値を指摘したうえで、共に改善策を考えてくれる理想の指導者に

恵まれているならば、子供たちも不平・不満ばかり言わないはずです。


しかし、最近は試合内容にかかわらず、負けると不機嫌になり、「気合がたりん!」と

怒る指導者(?)が多いようです。こういったタイプは私には理解不可能です。

「気合」という言葉で逃げて、自分が改善策・指導案を考えてチームを引っ張ることを

放棄しているだけではないかと思います。

「気合」だけでどうにかなるなら、その指導者が「気合」でなんとかすれば

いいじゃないですか。

上手になりたい、仲間と楽しみたい、そういった選手たちの成長の芽を摘む暴言を

吐いたり、態度を示すことは人としていかがなものでしょうか。